桜野季節5

星歌は冬馬の顔を覗き込む。


「冬馬君?」


「え…?」


冬馬と目が合った。

と…


「い、いや?何でもねぇよ」


よく分からないが、なんだか慌てているようだ。


それから凄く小さな声で



「………ただ…お前って、ああいう奴が好きなのかな…って」



「え?」


上手く聞き取れず聞き返した。


「いや!何でもねぇって!」


大声で言い、顔を背けてしまう。

星歌は首を傾げる。


(変な冬馬君)


その時、冬馬の頬が少しだけ赤くなってるように見えた。

まあ、見間違いだろうけど。



「そ…そんなことより、教室にいくんだろ?」


「ああ、うん。何か楽しみだね」


「そ、そうだな」


二人は早速教室へ向かって歩き出す。






こうして、桜野学園の門をくぐった日

この日の出会いは、きっと必然。





そして今日は、始まりの日。